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加古川市の根本治療専門院
鍼灸治療院きさらぎ 院長の独り言

ホームページでは伝えきれない役立つ情報、大切なメッセージ、
臨床雑話
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ぼんさんとだるまさん
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    『坊(ボン)さんが〜屁ぇをこいた!』

    『こいた!』の『た!』で鬼が振り向く。
    瞬間、皆が石になる。

    「誰か動いていないか・・・」
    鬼がジッと舐るように見まわす。
    皆は息を潜めて固まっている。
    鬼が前を向きなおして、また唱え始める。
    『ボンさんが〜屁をこい〜』

    抜き足差し足忍び足。
    そろりそろりと忍び寄る。
    気取られぬよう間を詰める。
    するするすると間を盗む。

    鬼が振り向き、
    『た!』っと睨む。

    皆が一斉、石化する。
    どどっと汗が溢れだす。
    脈打つ鼓動が耳になる。
    上がった息を押し殺し、鬼の視線をやりすごす・・・。


    子供の頃によくやったこの遊び。
    『坊んさんが屁をこいた』。
    関東では『達磨さんが転んだ』と言うそうな。
    お上品なようにも聞こえるが、誰かが転ぶのを笑うより、
    屁ぇの方が罪がない。


    『は〜じ〜め〜のだい〜いっぽ!!』

    で皆が一歩進んで始まるこの遊び。
    近頃の子がこの遊びをしているのをついぞ見たことがない。
    というより駆け回って遊んでいる子供自体をあまり見かけない。
    こないだ外で子供が集まってるのを見かけたが、
    座り込んで何やらしている。
    見ると指先でピコピコやっている。
    みんな集まってピコピコしている。
    外で?みんな集まって?
    ・・・なんじゃそら・・・。

    『動け!身体動かして遊べ!』

    そう言ってやりたいところだが、よその子にそうとも言えず、どもならん。
    こんなんでええんやろか、日本は。


    さてさて侮るなかれ、この遊び。
    よく出来た遊びなのだ。

    緩急をつけて呪文を唱える鬼の思念を窺いながら、
    全身を気配無く動かしたかと思いきや
    一瞬で石像のように身を固める。
    もっと速く、もっと前へ。
    逸る衝動を抑えつつ、鬼との間合いを詰めてゆく。

    相手の心を読みながら、自分の心身を制御することが求められる、
    なかなかどうして良い遊びではないか。
    昔はそうやって知らず知らずのうちに
    遊びを通して学んだり、鍛えたりしとったんやなぁ。

    電子ゲームで五感は磨けない。
    心身を制御する力は養えない。
    考え工夫する余地もないから創造力も高まらない。
    相手の心を察する必要もない。
    安直に『リセット』出来る世界に染まってゆく。


    試しにやってみるといい。
    そろりそろりと動きつつ、一瞬で全身を固められるかどうか。

    日頃身体を左右にゆすってヨタヨタドタバタ歩いている人には
    静かに気配無く歩くこと自体が先ず難しい。
    何よりピタとは止まれまい。

    『働き』のある身体は止まることが出来る。
    『働き』のない身体は止まれない、どころかブレまくる。
    存外自分の身体は意図したようには制御できないことに気づくだろう。

    意識して動いたからこそ、そのように動けない自分に気づくことが出来る。
    意識して固まろうとしたからこそ、固まれない自分に気づけるのだ。
    実践して初めて気づけることがある。
    実践の中でしか学べない、養えないものがある。


    当院でも患者さんの状態と状況に合わせ、
    エクササイズを伝えることがある。
    その時には必ず条件をつける。
    いくつかの条件を守りつつ、身体を動かすことは
    自分の身体と向き合い理解するには最適にして近道だからだ。

    素直に条件を守って実践する人は、
    条件通りに動かない自分の身体と直面し、次回課題を持ってやってくる。
    『○○が動かないのですが、どのように意識すれば良いですか?』
    【○×▽☆※■・・・】とお応えする。
    『では、こういう場合はどうですか?』
    【×●△※□◇・・・】
    『うわ!ほんまや。こんなに変わる!
     ちょっと意識を変えただけやのに。
     身体って面白いですね!練習します!』


    実践するから課題が生まれ、課題があるから修正も出来る。
    修正ができるから次の階段を昇ることも出来る。
    そうやって主体的に養生や鍛錬に臨むことで、
    身体はどんどん変わってゆく。
    治療経過も早くなる。

    条件を守らず、自分のやりやすいようにやって
    『やったつもり』になっても良いことはない。
    自分のやりやすいやり方の積み重ねで身体を壊したことを
    忘れてはいけない。
    ダメな動きを繰り返しても
    ダメな動きがより身に染みこんでゆくだけだ。
    そして端から実践しない人は・・・・それまでのこと。


    今日から4月。新年度。
    新入生も新社会人も少々の不安を覚えつつ、
    希望に胸を膨らませてワクワクしながら家を出るのだろう。
    新しい経験の中で新しい自分を見つけてゆく。

    何かを始めるには良いこの季節。
    彼らに負けてはいられない。

    始めるものが何であれ、
    屁ぇをこいても転んでも、
    始めなければ始まらぬ。
    掛け声かけてさぁ始めよう。

    『は〜じ〜め〜の〜だい〜いっぽ!!』



    『学んで思わざれば則ち罔し(くらし)、
    思いて学ばざれば則ち殆し(あやうし)。』
               論語 為政篇第二

    加古川の根本治療専門院 鍼灸治療院きさらぎ http://sinq-kisaragi.net/ 

    | 元気の底上げ通信(ほぼ臨床から) | 07:20 | comments(2) | trackbacks(0) |
    いつもFBでお世話になっております。
    昨年11月まで姫路の隣、揖保郡太子町に住んでいたので、「ぼんさんが屁をこいた」聞いたことがあります。草引き、溝掃除、運動会、地蔵盆、秋祭り、子供相撲、全て良い文化がまだ残っているのが、播州の良い所ですね。うちの子も、千葉に越してから、家でゲームやYouTubeばかりです。子供が安心して遊べる環境も大切ですね!
    | 飯田 晃一朗 | 2018/06/06 12:06 AM |
    飯田さん、有難うございます。
    そうでしたか。田舎に行くほどまだまだ良い習慣、環境が残っているのでしょうね。

    地元加古川は、昔は田んぼだらけでとても長閑でしたが、ベッドタウン化が進んで、今では住宅街に様変わりしてしまいました。
    子供たちの駆け回れる場所もどんどん減っています。畳が減り、和式便所が減り、日常的に足腰が鍛えられる環境がどんどん失われていっています。
    歳の離れた子供たちが一緒に遊ぶことも減っているでしょう。

    成長期の子供のうちに、経験してほしいこと、感じてほしいこと、学んでほしいことが沢山あるのですが、なかなか難しい世の中になってきていますね。


    | 吉良 淳 | 2018/06/06 11:42 AM |









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