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加古川市の根本治療専門院
鍼灸治療院きさらぎ 院長の独り言

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臨床雑話
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さくら
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    ずるずると名残押し気な冬が終わった途端の春爛漫。
    あっという間に満開の桜も はやハラハラと散り始めた。
    今日は小学校の入学式らしい。
    新しい制服に身を包んだ小さな子供たちの顔も
    ニコニコと満開だ。

    「花曇り 笑顔で駆け出すランドセル」


    桜は蕾の頃が好きという人がいるかと思えば、
    いやいや満開の時が良いという人もいるし、
    やっぱり散り際こその美しさでしょうという人もいる。
    新緑の桜が、という人もいるだろう。

    無論どの時期も美しいし、趣きもそれぞれ。
    人により好き好きがあって当然だ。
    けれどたとえば「散り際こそが桜だ」と
    ほかの美しさを認めないとしたらどうだろう。
    世界を狭めるだけでしかない。


    「私は気が短いから」
    「私はこうやってきたから」
    「どうせ私は・・・だから」
    「これが私らしさだから」

    そんな風に自分を限って、自分を狭めて、自分の可能性を否定しながら、
    「健康になりたい、変わりたい」と訴える方が少なくない。
    けれど自分を変えられるのは自分だけだ。
    他人が他人を変えるなんて容易なことではない。
    就中「変われやしない」「変われるはずがない」と
    思い込んでいる人を変えるのは。


    「治すのは医者や治療家の仕事であり責任。」
    そんな風に思ってはいないだろうか。
    だとしたらそれは大きな間違い。
    「治す手助けをするのが医者や治療家の為事であり責任。」なのであって、
    治すのはご本人であり、自分の心身の責任は基本的に本人が負うものだ。

    ツボ(経穴)を取り鍼をすれば身体が変化する。
    その変化は術者の力ではない。
    はりという僅かな働きかけに身体が応えてくれた証拠であり、
    患者さん本人の力以外の何ものでもない。
    薬の毒性や外科手術という侵襲的働きかけでさえ、
    それを治癒への刺激として受け止め変換するのは本人の力ではないか。

    死体に鍼をしても何も変化はしない。
    生きているからこそ治療が有効なのであり、
    医学は生きているあなたの身体への信頼の上に成り立っている。
    本人が自分の身体を信頼しなければ、
    良い治療が成り立つ筈もない。


    「授業には出ます。勉強はしません。でも成績は上げてください」。
    それは道理に外れた無茶な発想だろう。
    けれど兎角医療に対してはそのような
    不合理な期待を抱いている人は案外多いのだ。

    「治療は受けます。養生はしません。治して下さい。」
    心当たりはないだろうか。


    自分と向き合い、原因から目を逸らさない。
    医療指導や助言に耳を傾ける。
    少しづつでも養生に励む。

    それは出来ない言い訳を並べる人、
    「自分は〜だから」と
    自分への悪しき先入観に縛られている人には出来ない。
    今の自分の現状を悲観楽観に偏らず素直に受け止め、
    自ら変わろうと思える自分への信頼感なくしては
    出来ない相談だ。


    すべては縁起。
    一切は関係性の中にあり、一切は移り変わるということだ。
    縁起自体に良い悪いはない。
    良い悪いと価値判断し、とらわれ迷う心があるだけだ。

    「変われやしない」と思い込む心があっても
    何も変わらないということはなく、実際には心身は変わっている。
    より意固地でより卑屈でより窮屈なあなたに。

    慢性的にしんどいあなたが年々しんどくなるのはそのためだ。
    「何もしていないのに肩が凝る」「何もしていないのに・・・」
    何もしていないというその在り方の中に問題があることを
    見つめ改善してゆかなければ、それは塵芥のように積もり、
    あなたの心や身体を益々しんどく蝕んでゆくだろう。
    少しづつ、けれど確実に、着々と。

    「きっと変われる、変わろう」と自分を信頼することで
    あなたはきっと上手く変わってゆくことができる。
    理想のあなたに近づくことができる。
    「どうせ私は・・・」と自らを限り、信頼しないことで
    あなたは理想から遠く変わってゆくこともできる。


    すべては無常。
    可能性に満ちた世界。
    どの道を選ぶか、選ばないかは自分次第だ。



    『散る桜 残る桜も 散る桜』
            良寛(真偽不定)


    加古川の根本治療専門院 鍼灸治療院きさらぎ http://sinq-kisaragi.net/

    | 元気の底上げ通信(ほぼ臨床から) | 10:44 | comments(0) | trackbacks(0) |









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