CALENDAR
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< June 2018 >>
NEW ENTRIES
RECENT COMMENTS
CATEGORIES
ARCHIVES
にほんブログ村
User Heat SEO解析
MOBILE
qrcode
LINKS
PROFILE
OTHERS
 
加古川市の根本治療専門院
鍼灸治療院きさらぎ 院長の独り言

ホームページでは伝えきれない役立つ情報、大切なメッセージ、
臨床雑話
<< 戻ってきた財布 | main | ショック〜!! >>
良くなる患者さん 難しい患者さん
0

    誰からも愛される人も
    誰からも憎まれる人もないように
    誰からも喜ばれる治療というものもない。
    心の内側から鍵をかけている人を
    助けることはできない。


    先日ホームページで当院を見つけて
    ご来院された年配のご夫婦。

    それぞれ予診表に必要事項を記入して頂いた後、
    「どちらからでも結構ですよ」と言うと
    ご主人がお前が先にと奥さんに勧められる。

    奥さんの診察を終え、
    ご主人の診察に入る。
    問診中、腕をずっと組んだまま、
    あまり目も合わさない。

    ご主人は鍼治療の経験があるようだ。
    どんな治療でしたかと訊けば
    「普通の鍼治療」

    鍼治療といっても院によって千差万別。
    同じ理論、同じ流派でさえ、
    治療家によって治療の仕方は変わる。
    そんな実状を知らなくても
    自分が受けた治療が鍼治療として「普通」なのだと
    思い込んでしまっている。

    すべてのラーメン店のラーメンは
    自分がイメージするラーメンと同じはずだと
    言っているようなものだ。


    主訴は肩こりだが、かなりの猫背で姿勢が悪い。
    これが先ず改めるべき原因ですよと伝えても
    「自分はずっとこれだから」

    原因を改めなければいくら治療を重ねても無駄ですよ、
    治す気がなければ治りませんよと伝えても
    無表情、無反応。

    こういう方の治療は実際難しい。
    症状云々の話ではない。


    先ず、鍼治療の経験のある自分ではなく、
    初めての治療院で初めて鍼治療を受ける奥さんに
    先に治療を受けさせたこと。

    鍼経験の有無の欄を確認せず、
    主訴がともに慢性的な肩凝りだったので
    どちらからでもとつい振ってしまったのは私のミスだが
    ご夫婦やカップルで初めて受診される場合、
    一方が鍼治療経験者ならその方が先ず治療を受けられることが多い。
    自分が先に受けて連れ合いを安心させようという
    自然な気遣いだろう。

    問診中ずっと腕組みをされていたが、こういう方も珍しい。
    そもそも腕組みをして問診を受ける方はいない。
    初めての治療院で不安があっても、
    皆さん、症状や自分を理解してほしいと思ってらっしゃるので
    腕組みをした不遜な態度で話す人などいないのだ。

    そして腕組みとはそもそも心理学的に防御姿勢。
    顕在意識として治療を求めていても
    潜在意識としては治療を拒否しているということだ。
    いくつかの問いにも目を合わさず、
    投げ捨てるように答えるだけ。
    自分が受けた治療を「普通」と言うのは、
    自分の経験の枠内で思考が限られてしまっており、
    違う鍼治療を受ける用意はないと言っているのと同じことだ。

    自分のことだというのに、お身体の状態を説明しても
    進んで聞いて理解しようとはされない。
    「そんなことはどうでもいいから、早く肩に鍼を打て」
    という態度なのだ。
    どんな治療を受けてこられたかは知らないが
    この方にとって鍼治療は肩こりの痛み取りでしかないのだろう。
    もちろん、当院ではそんな対症療法はしない。
    治療後、呼吸の深まり、脊柱可動域の向上など、
    身体の改善を確認し、本人も認めたが無表情・無反応。
    あくまで慰安的施術を求めていたのだろう。

    当院では決して患者さんを「患者様」とは呼ばない。
    「お客様」になってしまうからだ。
    患いの主(あるじ)は本人であり、
    患いの原因の多くは日常の習慣の中にあるのだから、
    治すのはご本人なのだ。
    治療はあくまでその手助けであり、それ以上のものではない。
    その時点時点で最良の状態にお身体を整え、
    整えた状態を維持し、活かすための助言・医療指導を
    提供することが当院の役割だ。

    治す気のない患者は治らない。
    どれだけ治療によって身体を整えたところで、
    同じ習慣、同じ負荷をかけ続けて治る筈がないのだから。



    ピラティスやヨガ教室に通うような方は自ら変わろう
    という意識が強いが、治療を求める方には変えて欲しい
    という依存的な意識が強い方が少なくない。
    治療開始当初は勿論それは致し方ないことではあるが、
    依存心の背景には自分やお身体への信頼感の無さがある。
    自分に愛されていない身体が
    どうして健やかでいられるだろうか。

    そんな依存的意識から早々に卒業される方ほど、
    治療効果は上がってゆく。
    お身体への理解と信頼が高まるにつれ、
    治療に対する反応・感受性もまた高まるからだ。



    さて、これは別の患者さん。
    吃音に長年悩まれて当院の門を叩いてくださった若い女性。
    仕事中にお客に電話対応するなど緊張した場面になると
    言葉が出なくなるという。

    吃音やその他精神状態と深く関わる病を患っておられる方は
    症状を憎み、また自分への信頼感を失っておられる方が多い。
    この方もそれが言葉や態度の端々に見受けられた。
    けれど同時に変わりたいという思いも強い。
    こういう方は良くなる。

    胸を閉じ、肩を丸め、横隔膜と舌骨が上方に偏って硬く、
    呼吸が浅い。顎下に無駄な緊張があり、舌根が堅い。
    後頭骨の前方下降変位、右側頭骨屈曲・膨張、
    左側頭骨伸展・圧縮、蝶形骨右捻転その他諸々の所見を認める。

    改善点を指摘して姿勢を正して深呼吸してもらうと
    肩首の緊張が取れ、胸が開き、呼吸が深く変わり、
    頭も軽く、目も開けやすくなることを実感し、
    びっくりしておられた。
    まだ何も治療はしていない。
    意識ひとつ、姿勢ひとつで身体は変わっていくのだと
    この方はすぐに理解された。
    これは良くなる。

    やはり治療を始めると素直にお身体が反応する。
    後はその反応をつぶさに感じ、認め、
    歓びに変えてゆけるほど、
    治療効果は高まってゆく。

    治療中も症状に捉われ、してほしい事に捉われ、
    はたまた病への憎しみや怒りなどの感情に捉われていると
    せっかくの身体の変化を感じづらく、また変化そのものを
    制限しやすいが、感覚の網の目を出来るだけ細やかにして
    全身に張り巡らせていくほど、感受性は高まり、
    受診時間のすべてが自分と向き合い、理解し、
    身体を育ててゆく時間としてゆくことが出来る。
    治療や身体の反応や助言を受け入れる用意の出来た
    積極的な受け身は決して依存ではないのだ。
    それは治したい変わりたいという強い意欲と向上心の上にあるのだから。


    治療の数日後、
    『今日、電話応対の第一声で声が出ました!
    まだまだ無言の時間はありますが、
    本当に本当に嬉しかったです!』
    とメールを頂いた。

    「マイナス思考の私」と彼女は言うが
    良い変化を喜び、言葉に表現できる人が
    根本的に「マイナス思考の私」である筈がない。
    今はただマイナス思考な精神的習慣、
    思考癖をつけてしまい、それが自分なのだと
    思い込んでしまっているだけなのだ。

    マイナス思考はマイナスの事象に精神の波長が
    合ってしまっている状態。
    プラスの事象があっても目に入らない気づけない。
    プラス思考はマイナス思考を前提として
    無理やりプラスに見ようとする思考なので
    よりマイナス思考が深くなりやすい。

    マイナスのものをプラスに見るのではなく、
    プラスの事象をプラスの事象として気づける心、
    素直に認め喜ぶ習慣を身につけることが大切になる。

    もっと言えば、起こっている事象・現象に
    そもそもプラスもマイナスもない。
    偏った尺度でそう評価する自分がそこにいるだけなのだ。

    『人間万事塞翁が馬』



    残った症状残った症状に焦点が合ってしまう人は
    日常においても要らぬストレスをかき集めてしまう。
    日常的な愚痴、悪口、不平不満は
    それに相応しく心身を歪ませ固定させてゆく。


    残った症状があっても良い変化を認め、喜びに換え、
    さらに言葉に表現できる人は、
    明るい言葉を自ら聞く機会が増える。
    発する言葉が明るいものになれば、
    その言葉を聞く周囲の人たちの心も明るく和ませ、
    結果益々心身は健やかになってゆく。

    治療による身体の変化へのご本人の反応は、
    日常の精神習慣がそのまま反映されやすい。
    それだけに治療の場は
    お身体だけでなく、ご自身と向き合い、
    学べる場にすることが出来るのだ。


    治療後、彼女は「何か自分でできることはないですか」と
    訊いてこられた。
    彼女はきっと良くなるだろう。



    『境、順なる者は怠り易く 境逆なる者は勵み易し』
    吉田松陰

     

    加古川の根本治療専門院 鍼灸治療院きさらぎ  http://sinq-kisaragi.net/


      ブログランキング・にほんブログ村へ
    にほんブログ村

    | 元気の底上げ通信(ほぼ臨床から) | 17:37 | comments(2) | trackbacks(0) |
    吃音で診て頂いている者です。
    まず、今まで、吃音の症状を理解してくれる人はいませんでしたので、
    先生にはとても感謝の気持ちでいっぱいです。
    そして良くなると何度も言って頂いて、
    気持ちが前向きになりました!
    先生とお話していると、
    物事は見方、考え方の違いで変わるのだなぁととても思います。
    今後ともよろしくお願いします。
    | ys | 2015/02/26 7:54 PM |
    ysさん。コメントありがとうございます。
    人は自分が見えるようにしか世界が見えず、そしてそれが世界だと思い込みがちなものです。常識や価値観、経験などがそれに拍車をかけてしまいます。新しい自分に出会うためにはその枠から出ることが必要なんじゃないでしょうか。
    いくら転んでも転ぶことを恐れず、何事もなかったかのように何度でも立ち上がる、歩き始めたばかりの幼児のようにありたいものですね。
    | 不動坊 | 2015/02/27 12:53 PM |









    http://hudoubou.jugem.jp/trackback/35